今回は、体外受精と鍼灸効果について、まとめた話を
しようと思います。
体外受精で使用される排卵誘発剤は、人工的に卵子を増やす
ことを目的とします。
ただ、卵子を増やすことはできても卵子の質を高める効果は
それほど期待できないかもしれません。
さらに、体力的・精神的な疲れから、卵巣の機能が低下し、着床が
しにくくなるという恐れも指摘されています。
体外受精は、近年に開発された西洋医学による最先端の治療法です。
これに対し鍼灸は、数千年前より研究が続けられている
東洋医学の代表的な治療法です。
西洋医学が病気が起きてから治療を行うのに対し、
東洋医学は、病気になる前段階を重視し、病気になる
根本原因から取り除くという概念があります。
つまり、西洋医学は病気が現れてから身体を治す『対処療法』に
治療の趣旨があり、東洋医学は、病気にならない身体つくり、
つまり『予防医学』に治療の趣旨があります。
そこで、身体の免疫力・自然治癒力を向上させ、生殖機能を高める
鍼灸が注目されるようになったのです。
日本では西洋医学が主流で、東洋医学は日陰のような存在のため、
「不妊に鍼灸が効果的」という事実はあまり知られておりません。
そのため、多くの人は不妊治療を行う際には、最初に西洋医学における
タイミング法、人工授精、体外受精を選択します。
これらの治療を受けても妊娠出来ず、あれこれ探していた
ところ鍼灸を知り、鍼灸を受けるパターンが多い傾向にあります。
不妊治療の途中で鍼灸を取り入れるケースとしては、
次の3パターンがあります。
【鍼灸治療採用のパターン】
■他の不妊治療は一切やめて、鍼灸治療だけを行う
■タイミング法、人工授精を取り入れつつ、同時に鍼灸治療を行う
■高度生殖医療(体外受精、顕微授精)の段階で鍼灸治療を行う
これまで行っていた不妊治療をやめて鍼灸だけを行う方もいれば、
不妊治療と合わせて鍼灸を取り入れる人もおります。
これには、経済的な理由や体質的な理由があるので、医師とも
相談して決められるとよいかと思います。
最後に、体外受精における鍼灸効果についてまとめてみました。
【体外受精における鍼灸効果】
■質の高い卵子を採取
鍼灸は、生殖器官の機能・免疫力を高め、
質の高い卵子を採取できる効果があります。
■着床の確率を改善
鍼灸は、血行を改善する効果が期待できます。子宮内の
血行が改善され、免疫が向上し、内膜の環境を改善します。
■副作用の防止
排卵誘発剤の多用により、弱った
生殖器官の機能を正常に戻します。
このような背景から、体外受精に鍼灸を取り入れることで、
妊娠の成功確率が高まるだけでなく、体外受精の各治療を
行う回数を減らせるようになります。
治療の回数が減ることで経済的にも精神的にも負担が減り、
薬による副作用を軽減する効果も期待出来るようになります。
公式サイト
不妊・鍼灸院 – 東京すずらん鍼灸院